「意欲が無い」ってどういうこと?

日本の高校生の特徴がもっとも表れたのが、「偉くなること」についての質問。他国では「能力を発揮できる」「尊敬される」といった肯定的なイメージを持つ生徒が多いのに対し、日本では「責任が重くなる」が79%と2位以下を大きく引き離した。「自分の時間がなくなる」「偉くなるためには人に頭を下げねばならない」も他国より多い。

調査結果概要は日本青少年研究所http://www1.odn.ne.jp/youth-study/)にて参照でき、詳細は有料にて販売とのこと。
調査の結論としては「日本の青年は意欲が無い」ということらしい。

日本の若者に注目すべき現象が起きている。「偉くなりたくない」といい、「暮らし
ていける収入があれば、のんびりと暮らしていきたい」という。
他方、国など公共機関の幹部になることを回避する状況があり、これに対応するか
のように、学校では、クラス委員になり手が少なくなっている。
この現象は、「意欲」がないことを基盤としているといえよう。

将来なりたい職種?

ざっと眺めたところ、「最近の青年は意欲がない」ことよりも、設問が日本のみ可笑しい可能性が高い。
そう考える理由は将来なりたい職業についての質問が根拠。
日本、アメリカ、中国、韓国の比較すると、下記のようになっている。

  • 日本:「営業・販売・サービス職」
  • 米国:「医師」、「デザイナー」、「スポーツ選手や歌手」
  • 中国:「会社・企業の経営、管理職」、「公務員」、「法律家」
  • 韓国:「小中高校の教師」「会社・企業の経営、管理職」「デザイナー」

日本のみ職業がなく、職種のみ記載されている。
医師、政治家、教師、弁護士、スポーツ選手、公務員などの代表的職業が入らず、
まして営業職など実際何をするか把握していない高校生がこのような記載をするのは少々異常だろう。
設問がおかしい可能性が高い。

偉い職業ってなに?

仮に上記設問が適切だと考えた場合、なりたい職業などないということ可能性が高い。
政治家は血筋で継承され、医者は悲惨な勤務体制、教師は学級崩壊と対峙する必要があり、公務員への風当たりも強い・・・など考えるとなって安泰な職業など皆無というのも頷ける。


課題は将来が見えない、ロールモデルの不在にあるのかもしれない。
それが「意欲」の無さの原因なのかも。